マークシート Fill in the blank (1989-1990)
素材:マ−クシ−ト解答用紙、HB鉛筆、机、椅子
試験終了、受験生退出後の試験会場。
マークシートの回答用紙が机上に残されている。
鉛筆で塗りつぶすという回答作業が済んではいるが、
その塗りつぶされた箇所は「記入欄」ではなく「記入欄」の外である。
出題者側の意図とは組みしていないが、出題者が用意した回答「用紙」に組している。
出題者側の用意した仕組み/領域に同調した/調律された_出題者側のコミュニケーションツールに収まる「表現」方法である。
「問い」に対する「答え」方、その表示方法の「逸脱*」を目指すとする。
(*何故「逸脱」を目指すのか。それは表現者の強迫観念である。「逸脱」をすることが表現者の責務だと思い込んでいるのだ。私は…)
さてその場合、試験「主催者」側とシステムを共有し、記号を共有しなければ、その意図は伝わらない。
「回答欄」という境界 「線」の外側にはその紙の縁があり、その外側には机の上面の縁が、教室の縁が、学校の縁が続いていく。そして各地方、国家、と入れ子構造で無限に続く境界線の層/制約の系列が拡がっている。「枠組み」の果てしない入れ子構造そのものを「表現」領域として捉える。
「逸脱」するにはシステムを「共有」しなければならない。
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